(7月27日 正午すぎ。
本日も快晴のなか、
海の上を滑るように走る<アーク>の巨大なデッキを震わさんばかりに………
突然響き渡る、涼の絶叫!)
涼 :きッ、貴様………ッ、何をするッ!
やめよッ!
やめぬかッ!

蔡 :(何をするともなく、
デッキにあがる螺旋階段のすぐ側を通りかかった。
聞き間違いようもない絶叫に、
眉を寄せ、階段を駆け上がる!
デッキにでるなり、全身をなぶる海風に一瞬、顔をしかめ。
手で目を庇いながら………
涼と睨み遭うヨハネ。その場の状況に、困惑する……!)
…………ヨハネ? どうした!

ヨハネ:(蔡に向かい、蒼天に飛ぶ茶色い大きな鳥を指さした!)
見ろよ………!
あの鷹! あれ、本当の鳥じゃない。
見覚えがある!
あいつの………桜木の飼ってる「魔」だ………!
こんなところまで………!
きっと、こいつを追って来やがったんだ。
なんとかして落とさないと、酷い目に遭う………!
あいつのせいで、オレも兄さんも、
閉じた場所に封じこめられかけたんだからな!

涼 :(ヨハネが言うなり、その右手を、空へかざそうとするのに、
その腕に掴みかかろうとする!)
よせというにッ!
に………逃げよ、「いずみ」ッ!
私は無事じゃッ! そのように兄上にお伝えせよッ!
お前の役目は兄上を護ることじゃろう………ッ、
何故、このような場所に………!
(桜木が自分を案じて、探しに寄越したのだ!
それが判るから、なお、たまらぬ!
両の拳を握り、空へ絶叫する!)
すぐさま戻れ………戻るのじゃ、「いずみ」ッ!
私は必ず帰るッ!
必ず!
だから………早く逃げよッ!
頼むゆえ、逃げてくれ………ッ!

蔡 :(涼の思いがけぬ有様に目を大きく丸くしたが。
すぐに、視線を冷たくした。
涼を横目にちらりと見て。
………瞬間、僅かに視線が遭う。
だが、構わず、ふいと顔を背けた。
ヨハネの耳に………小さく、囁く)
どうだ? で、届きそうなのか?
………なんなら、手を貸すよ。
鳴蛇なら、海から狙える。

涼 :(蔡の囁きは、十分、自分にも聞き取れるものだった。
いや………もしかしたら、わざと聞かせたのか?
どちらでも構わぬッ!
ただ、怒りが、カッと背を激しく駆け抜けたッ!
掴んだのは、手近な壁に這っている配管。
それを両手で掴む!
ぎりぎりと歯がみをして、腕に込める力。
それとともに………ゆっくりと
………引き剥がれてゆく鉄の配管!)
「いずみ」に………我が兄上の鷹に触れるな………ッ!
あれは、兄上の化身ッ。
お主らごときが触れられるものではないわッ!

ヨハネ:(ギョッとして、身を一歩、とっさに退ける、
その目の前をかすめる、鉄の配管!
見れば、壁から無理矢理剥がれた配管からは、
一気に水が噴き出している!
顔を歪め、腕で涼が刀代わりに握った配管を、
受け止めながら、唸った!)
く………くそッ、お前、ホントに女かよッ?
よ、溶接してあったはずだぞッ!
あんなもん、普通、ひっぱがせるもんかッ?
涼 :(問答無用ッ! 叩き伏すのみ!)

蔡 :(素早くその場から飛び退き、
涼の相手はヨハネに任せる。
目を鋭く、自分のやってきた階段へ走らせ。
………短く言った!)
………行け。鳴蛇!

鳴蛇 :(呼ばれるように、階段を登ってきていた。
蔡の言葉に、音もなく駆けだし、
蔡の脇を通り過ぎたかと思うや、
デッキの手すりに手をかけ、飛び上がり、
そこに鳥のように停まる。
するりッと、その体が
そこから白く伸びたかに見えたのは、
………一瞬。
長く白い鱗を、日の光に虹色に輝かす………
白い大きな蛇の姿となって、海に滑り込んでゆく!)

***** Be Contenued <アーク>2ed ………! ****
ニックネーム オートマタ・ファクトリー at 04:02|
<アーク>デッキ
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